「地方ほど肥満児が多い」現実を何とかしなければ!
今年のこどもの日に、地元の新聞で次のような記事が報道されていました。
大雑把に言うと、宮崎県のこどもは全国より肥満しているという記事です。
これは文科省及び宮崎県教育委員会が毎年行っている調査の結果で、実は毎年この時期に同様の報道が行われています。
自然が豊かな地方ほど、実はこどもが肥満している。
本当に悔しいことです。
過疎地で学校を統合した結果、スクールバスで通学するので、肥満児が増えるという残念な話も耳にします。
車に依存して歩かなくなっていることが原因なんでしょうが、このままでは絶対にいけません。
ではどうするか?
私は、学校や教育委員会に「どうにかしろ!」と言って多額の税金を投入するのではなく、自由奔放に楽しく遊べる場・機会を学校や役所以外の主体が設けることが必要だと思います。
まさに「こどもーる」(http://codomall.com/)のような施設が必要なのです。
地方でも習い事は盛んで、習い事でサッカー、水泳などをしている子はたくさんいます。
ただ、スポーツも、やり方・ルールを教えられる中で指導に従ってやるものなので、ともすれば終わった後はストレス解消に「家でごろごろゲームしてくつろぐ」ということになってしまっているように思います。
自分達で遊びを作って、自由奔放に走り回る時間・機会がしっかり確保されないと、体も心も元気にはならないと思います。
こどものときに「ああしなさい」「こうしなさい」と言われ続ける時間ばかり過ごすのではなく、自分のしたいことをしたいようにする時間、そしてそれによって時には自分で痛い思いをする時間、これらを確保することではじめて、自主性、創造性、自己責任の意識が育まれるのです。
また、「こどもーる」の持つ特長として、学校や家庭とは違う場所という点が挙げられます。
先生や親のいないところで遊ぶことで、本当に楽しさ、そして同時にこどもの社会でのルール(「ずるいことをしたら嫌われる。」、「自分だけ楽しくても他のこどもが楽しくないと、結局楽しくない。」など)を思い知るはずです。
さらに、一人っ子が多い今日、年齢の異なるこどもと一緒に遊ぶ経験や、先生でも親でもない「ナナメの関係」にあるスタッフのお兄ちゃん・お姉ちゃんと一緒に遊ぶ経験が積めることも特長として挙げられます。
私の少年時代は、「地方のこどもは田舎臭いけど、体力と根性だけは都会もんには負けん」という考えが一般的でした。
ところが、この肥満のことも含め、残念ながら、今はこんな考えと実態が違ってしまっているのではないか?ということに、一昨年帰郷して気付かされました。
帰郷していろいろな人と話していると、以前よりもグチを聞かされることが多くなった気がします。
「どうせ・・・」「でも・・・」「だって・・・」で始まる会話が多い気がします。
「うまくいかなくても、人から笑われても、俺はやるぞ!」という人よりも、自分の将来をあきらめてしまって、悪いことは誰かのせいにしてしまって、周りの人からはずれないように生きて、もし身近に明るく無邪気にがんばっている人がいると「おもしろくない」という妬みを感じてしまう人が地方には増えてしまったのかも知れません。
「返りなんいざ。田園まさに荒れなんとす。」とは中国・南北朝時代の詩人・陶淵明の詩です。
陶淵明は役人を辞めて帰郷し、以後隠遁生活を送ったそうですが、私は隠遁生活をするために帰郷したのではありません。
危機的な状況、いや既に崖から転落しはじめてしまっている今のふるさと、そして日本を建て直すために帰郷したのです。
憂うだけではなく、評論するだけではなく、実践するために帰郷したつもりです。
私達延岡こども未来研究所のメンバーは、いろいろな活動を通じて「こどもーる」の精神を全国に広げていきます。
みなさん、ぜひ「こどもーる」を検索してホームページやFacebookをご覧下さい。
読谷山洋司
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By パート主夫, 2017年4月27日 @ 12:37 PM
車社会・スクールバス・近所に友達がおらず、ゲームばかり。
休日はショッピングセンター、習い事も親が車で送迎してます。
ひ弱な肥満児が増えて、田舎のメリットが失われています。
※駅弁卒の中産階級の子供は、スポーツが盛んで太ってない。
昔の田舎は集落で固まっており、子供も沢山いて賑やかだった・・・