「しまに学ぶ」~長崎県立大学のPBL
私は長崎県立大学の教授も務めているが、同大学では離島の多い長崎県の特色を踏まえ、2年生全員を対象に、離島の地域振興策などを学生が自ら考え、提案するという授業(通称「しまなび」)を行っている。
これはPBL(Project Based Learning)学習法(課題解決型学習法)と呼ばれるものだ。
http://sun.ac.jp/coc/
学生は小グループに分かれ、自分達で課題を発見し、その解決策を考える。
島のことを調べるために、関係機関等に自分たちで連絡を入れ、アポイントをとり、取材し、分析していく。
一連の作業を通じて、チームワークも培われ、いわゆる「社会人基礎力」が養われていく。
ひょっとしたら、高校生のときまでは、何を勉強するかを自分で考えるのではなく、「はい、これを勉強しなさい。」と、勉強すべきものが親や学校から与えられ、それをこなしていけば良いというスタイルで勉強していた学生も多かったかも知れないが、この「しまなび」はそれとは逆だ。
何を研究目標にするのか、そのために何をどう調べるか、そしてその結果をどうまとめるか、そのためにチームの各自がどのように作業を分担するか、などを自分達で考え、話し合う。
私のゼミ生の研究テーマは、東シナ海に浮かぶ宇久島の新しい観光ツアーコースを提案しようというものだ。
来月には実際に島に5日間滞在し、島の人に直接取材をしたり、現地を見ながら、研究成果をまとめる。
私も同行するが、どんな成果が上がるのか、今から楽しみだ。
こどもーるで普段こどもたちに接していると、このような学習の必要性を痛切に感じる。
こどもーるでの経験に加え、このように社会に出る直前の若者の育成に関わっている経験も踏まえながら、教育改革の提言も今後どんどん行っていきたい。
読谷山洋司
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