12月 08 2013

「英語より国語」との考えの下、「クリスと遊ぼう in Codomall」が行われます


「国家の品格」などの著書で有名な藤原正彦氏は、いろいろな機会で「子供のうちは、英語の勉強をする前に国語の勉強をすべきだ。」と主張されていますが、私もそのとおりだと思っています。
それを痛感したのは、リーマンショック直後に「セミリンガル」という言葉の意味を知ったときでした。

「バイリンガル」とは二か国語が使えること、「トリリンガル」とは3ヶ国語が話せること、ですが、「セミリンガル」とは「1ヶ国語すら満足に使えない」状態のことを言います。
子供が母国語の勉強をしっかりやらずに、中途半端に外国語をかじってしまうと、複雑なことや難しいことを論理的に考えたり、自分の意見や考えを論理的に組み立てられなくなってしまい、そのまま思春期を迎え、大人になってしまうと、論理的な思考ができない大人になってしまうのです。

リーマンショック直後のこと。
当時内閣府で企業再生支援機構法案の担当をしていた私は、当時の麻生総理大臣の指示により、急きょ日系ブラジル人等の「雇止め」問題などの対策づくりに取り組むことも兼務するよう命じられました。
群馬県太田市、静岡県浜松市など、自動車産業等の製造業の集積地域で働いていた日系人の多くが、リーマンショックの影響で、仕事を失い、子供達を学校(日本の義務教育(無償)を受けさせていたのなら良かったのですが、多くの日系人家庭では私立(学費の高い)のブラジル人学校等に行かせていたのです。)に行かせられない状態が長期化してしまう危機に直面したのです。
これではまさに「セミリンガル」の子供達がどんどん増えてしまい、その子供達が、後になって、日本に居ても、母国に居ても、進学・就職・生活に著しい支障が生じ、しかもその支障を将来にわたって抱えていかなければならなくなってしまうのです。
内閣府内に急きょ設置された「定住外国人施策推進室」の初代参事官として、私は省庁横断的な検討を進め、二度にわたる緊急対策をまとめ、実行に移しました。
下記のyoutubeをご覧いただければと思います。

この対策づくりの中で、私は、高度な思考能力やコミュニケーション能力をまず母国語でしっかり身に付け、その上で外国語の勉強をすることがいかに重要かを痛感させられました。

考えてみれば、明治の日本人は、必ずしも小さいときから英語の勉強をしていたわけではありませんが、大人になって立派な国際人になった人がたくさんいました。
医学の分野で世界的な貢献をし国際結婚をした野口英世は、子供のときは会津なまりの日本語を話していたことでしょう。
また、武士道についてアメリカで講演したときに聴衆のアメリカ人女性から結婚を申し込まれた程の新渡戸稲造は、東北・南部藩の出身で、子供のときは南部なまりの日本語を話していたことでしょう。しかし、世界中に堂々と武士道を知らしめ、国際結婚をし、国際連盟事務次長も務めました。
本物の国際人とは、本来まずしっかりと国語を勉強するのだと思います。

その考えを持ちつつ、「こどもーる」では、今月17日(火)から、宮崎県在住のイギリス人のクリスさんに来てもらい、スペシャルプログラム「クリスと遊ぼう in Codomall」がスタートします。下記をご覧下さい。
http://www.codomall.com/news/2013/12/-in-codomall.html

これは、英語教室ではありません。
子供達は日本語を使わずに、クリスと一緒に遊んだり、コミュニケーションを楽しむものです。
英語の勉強というよりは、いろいろな人とのふれあいを楽しむこと、そしてそのコミュニケーション方法を何とか工夫していくこと、などを子供達に体験してもらおうと考え、実施するものです。
この経験がまさに「生きる力」になるのだと思います。

私達「延岡こども未来研究所」も、最近子供達があまりにも習い事ばかりをしていて、異年齢の子供とのふれあいや、友達同士のふれあいの時間が少ないことを危惧しています。
「こどもーる」のこのような活動も注目しながら、子供達の24時間・365日が「習い事偏重」にならないためには何をすべきか、さらに考えていきたいと思います。

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