私たちの目指すもの
子どもたちの最近の遊び方を見て「このままで良いのか?」と不安になられる方々はたくさんおられると思います。
最近外で駆け回っている子どもの姿を見なくなった、友達と集まって遊んでいるように見えるけど実際は一人一人がそれぞれゲームをしているだけ、何時間もスマホをいじっている、などなど。
「本当はゲームなんか買いたくないんです。でも、みんな持っていると言われると、買ってあげざるを得ないんですよ。」こう嘆くお父さん・お母さんやおじいちゃん・おばあちゃんもたくさんいます。
また、社会人になったばかりの若者に接しては「小さいときにこんな遊びをしてれば、もっとこうなるのに。」などと感じることも少なくないと思います。
一方、私たち大人の中には、改めて昔を振り返りながら「あのときのあの遊びが実はこんな意味があったんだなあ。」「こんな遊びを子どもたちにさせてあげたいなあ。」と考える人がたくさんいます。
そう考えながらも「昔は良かった。」とだけ言っていて良いんでしょうか?現状に不安を感じながらも「これも時代の流れだからしょうがない。」とあきらめて良いんでしょうか?
「そうじゃない。何かできることがあるはずだ。」私たちはこう考えています。
私たちの代表・読谷山洋司がかつて岡山市の副市長を務めていたご縁で、私たちは株式会社サンヨープレジャー及び株式会社おもちゃ王国の高谷昌宏代表取締役社長からご厚誼を賜り、そしてそのご縁により東京学芸大こども未来研究所副理事長で株式会社おもちゃ王国総務部こども未来プロジェクトマネージャーの金子嘉宏氏と出会うことができ、金子氏から次のように「遊びは最高の学び」であることを教えていただきました。
子どもは遊びにより次のような体験ができ、能力を養うことができます。
1) 失敗しても良い体験
- 遊びは失敗が許されます。遊びを通じて、チャレンジする心、自立的に行動する能力が養われます。
2) 思い通りにならない道具を使う体験
- 例えばおもちゃで遊ぶことなどにより、道具を使いこなす能力が養われます。
3) 思い通りにならない他者体験
- 遊びを通じて「他者」との間で人間関係形成能力と協調する能力が養われます。
上記の赤字で書かれた能力は、実は文部科学省の学習指導要領の理念である「生きる力」に当たり(参照:2008年2月中教審答申)、さらにOECD(経済協力開発機構。パリに本部がある国際機関)のPISA調査(学習到達度調査)の基本概念である「キーコンピテンシー」にも当たります。
しかも、遊びは、親が強制しなくても、子どもが自ら進んで楽しむものです。
つまり、遊びは「最高の学び」なのです。
このように、「遊びは最高の学び」で、子どもは遊びを通じて大切なことを学ぶことができます。
また、大人も昔自分が子どもだったときの遊びを楽しむことで、童心に帰ることができ、笑顔を取り戻すことができます。
また、お年寄りも遊びを通じて元気を取り戻すことができます。軽度の認知症の方が昔遊びを楽しんだり、昔遊びを子どもたちに教えることで、症状が改善される効果が期待できるという見解もあります。
つまり、遊びは全ての人を幸せにできるのです。
このようなことから、私たちは次のような機能を持った室内型施設をワンパッケージで整備したいと考えています。
○子どもが安心・安全な環境の中、思い切り動き回れる「室内公園」
(昔の遊びも楽しめ、大人も童心に帰れる場所)
○自然体験の機会を提供するリエゾンオフィス
(関係団体と連携させていただく)
○子育て相談・子育て教室、大人の学びの場
○お母さんの「心のフィットネスクラブ」
私たちは、このような志を持ちながら、まずは今できることを一つ一つ実践していこうと考えています。
私たちの間では「アレーテ」という言葉をひんぱんに使います。
アレーテとは、すぐれた能力・才能・男らしさ、勇気、卓越、奉仕貢献、徳等の意味を一言で表すギリシャ語です。このような意味を一言で表す言葉は日本語や他の外国語にはないようです。
この言葉・考え方こそが、今の日本人には最も必要なものだと私たちは考えており、「アレーテ」をもって世の中に貢献しようと一歩一歩実践しています。
なお「アレーテ」の大切さは、藤原正彦氏の「日本人の矜持―九人との対話 (新潮文庫)」等で曽野綾子氏も指摘しています。